2016年2月2日 宇宙研(JAXA)から発表がありました。
「金星極域上空の大気では、冷たい領域の周囲を気温が高い領域が取り囲むという不思議な気温分布が観測されています。このたび、金星の気象に関する大規模シミュレーションから、この不思議な気温分布がどのように生じるのかを明らかにすることに成功しました」
2015年12月軌道投入後に「あかつき」が早速送ってきた映像の謎を調べる為、研究チームではシュミレーションモデルよる分析を行い、その結果を論文に纏めました。その論文は2月1日付けの英科学誌「Nature Communications」に掲載されました。この分析により、金星では赤道よりも両極の方が暑い、と地球上では考えられない状況が発生している事が判明しました。2016年4月からの本格観測に大きく期待が膨らみます。
(2015月12年 JAXA/宇宙航空研究開発機構)
この画像は紫外線・赤外線の単色の画像を、波長の長短に合わせて次のように着色したものです。
中間赤外カメラ(LIR)……赤色(12月7日撮影)
紫外イメージャ(UVI)……紫色(12月7日撮影)
1μmカメラ(IR1)……橙黄色(12月7日撮影)
2μmカメラ(IR2)……橙色(12月11日撮影)
この4枚とも金星の「雲」を写してはいるが、LIRは「雲の温度の分布」を、UVIは「雲形成に関わる化学物質の分布」を、またIR1は「雲の深部の構造」を、そしてIR2は「雲頂の高低」と、それぞれ異なるものをターゲットとしているとの事です。
(2015月12年 JAXA/宇宙航空研究開発機構提供)
赤外中間カメラ(LIR)12月7日14:19ごろ撮影(日本時間)金星高度約7万2千km
この写真の上と下に光っている部分を究明する為のシュミレーション結果です。